「百年文庫024 川」
ゆく河の流れは絶えずして 「百年文庫024 川」ポプラ社 「蛍 織田作之助」「耳の肉のうすい女は不運になり易い」という伯父の言葉を信じ、自分の行く末をあらかじめ諦めるようになった登勢。彼女は船宿寺田屋に嫁ぐが、夫は頼りな...
ゆく河の流れは絶えずして 「百年文庫024 川」ポプラ社 「蛍 織田作之助」「耳の肉のうすい女は不運になり易い」という伯父の言葉を信じ、自分の行く末をあらかじめ諦めるようになった登勢。彼女は船宿寺田屋に嫁ぐが、夫は頼りな...
悪人の存在しない作品世界の温かさ 「津の国人」(室生犀星)(「百年文庫024 川」)ポプラ社 夫は津の川を東へ上り、念願の宮仕えのために京都へ向かう。妻・筒井はそれを西へ下り、官人の家の奉公へと向かう。再び一緒に暮らせる...
たくましくも戦争と向き合ってきた日本文学 「日本文学100年の名作第4巻 木の都」 新潮文庫 「木の都 織田作之助」十年ぶりに大阪の町を訪れた「私」。何気なく入ったレコード店の店主の顔は、どこかで見た記憶があった。降り出...
「庭」は「彼」の一生 「生涯の垣根」(室生犀星)(「日本文学100年の名作第4巻」) 新潮文庫 「彼」が丹精込めて造り上げた「庭」は、整えられた土と垣根だけであった。土は「彼」の手をくぐりぬけて齢を取っていた。「彼」は庭...